引越しに際して感じる思いについて
運動音痴。体力がない。それが私。けれどなぜか、引越しのアルバイトをしている。初めにそれを選んだ理由は、単に時給が良かったから。本職の合間を縫ってのアルバイトだけれど、最初はキツくてキツくて仕方なくて、我ながらどうしてこんなアルバイトを選んでしまったのか、と後悔したものだ。ある程度の時期を過ぎると、身体が重いものを持つのに慣れてくる。そうすると気持ちの上でも余裕が出てきて、色んなことに気が回るようになってくる。例えば積み込みの際、ダンボール類が足りなくなっていればトラックから持ってきたり。逆に荷降ろしの際には、開梱した梱包材料が溜まっていれば、それを外へ運び出したり。そうやって仕事をこなしてゆくうち、色んなことを感じるようになってきた。今までの住まいを離れて新たな土地で暮らす人達の新鮮な気持ちであったり、長く住んだ家への惜別の気持ちであったり。色んな家族、色んな人達の色んな思いを常に感じていると言っていいのかもしれない。そして、そういった思いや新たな生活にほんの僅かだけれど、ご協力出来ているのだということも。それに気付いてからは、流す汗も一日の疲れも、随分と心地良く感じるようになってきた。運動音痴で体力もない割に、なぜか引越しのアルバイトをしている。最初はキツくてキツくて嫌で仕方なかったアルバイトだけれど、今ではそれを少なからず、誇りに思っている。
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